年頭のごあいさつ

2025年12月26日

年頭のご挨拶

 横手商工会議所
会頭 渡部 尚男

 新年明けましておめでとうございます。

 令和8年の年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は世相を表す漢字が「熊」となったように、熊被害の問題やお米の価格高騰など秋田県に大きく関わる出来事が世間を騒がせた年でした。また、政治の世界では高市早苗氏が憲政史上初となる女性総理大臣に就任し、「新語・流行語大賞」の年間大賞にも高市内閣総理大臣が話した「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に決まるなど、時代の変革を感じさせる年でもありました。一方でエネルギーや原材料高によるコストプッシュ型インフレ、改善の兆しが見えない人手不足など経済面での課題は積み残したまま年を越えることになりました。また、ロシアによるウクライナ侵攻や日中関係の悪化など、世界情勢が混沌としたまま新年を迎えたことも残念でなりません。

 こうした不安が渦巻く情勢の中でも、大谷翔平選手が55本塁打を放ち、さらに投手としても勝利を挙げるなど、チームを2年連続ワールドシリーズ制覇へ導く大活躍で3年連続4度目となる満票でのMVPを受賞しました。同じ北東北出身のアスリートである大谷選手の活躍は私たちにも勇気を与えてくれました。

 横手商工会議所は人手不足、人材不足に対応すべく昨年創立70周年記念事業として開始した「横手清陵学院高校体験学習支援事業」を引き続き実施し、インターンシップを通じて地域で活躍する人材の育成を目指してまいります。また、当所が旗振り役として立ち上げた「横手市農商工連携協議会」は各方面からの期待の声も大きく、引き続き横手市の基幹産業である農業の生産性や付加価値を高め地域産業全体の活力向上を目指してまいります。

 また、デジタル人材の育成とDXの促進により企業や地域の生産性を向上させる目的で、2012年から開始した「ITエースをねらえ!プロジェクト」は今年度で計22回目の実施となりました。今後も、若い世代のキャリア形成に必要とされるスキルの習得を目的とした「次世代人財育成塾」事業とともに、人材育成による地域全体の生産性向上と活性化に寄与する事業に取り組んでまいります。

 昨年は原油高等による物価高騰対策のため、約2億円の「横手市民応援商品券」が配布され、当所も換金や広報などの事務を担い地域経済の安定化に協力いたしました。

 そして、要望を続けてきた「秋田自動車道の完全四車線化」は横手IC―北上西IC間の4車線化が決定し、着々と事業が進捗しています。地すべり災害から仮橋で片側通行となっていた岩手県西和賀町内の国道107号も大石トンネル・新大石橋が昨年11月30日に開通し、冬季通行の安全性が高まりました。また、特に積雪時の安全な通行環境確保が難しくなっている横手市石町から美郷町榊柳間の国道13号横手北道路は現道拡幅と一部バイパス案で計画されていますが、一刻も早い事業化に向けて要望を続けてまいります。

 今後も、産業や観光の振興に欠かせない安定的な物流・観光ルートの確保のため道路等交通インフラの充実を目指してまいります。

 令和8年の干支「丙午(ひのえうま)」は「勢いとエネルギーに満ちて、活動的になる」と言われていますので、駿足を持ち、独立心が強く、また人を助けてくれる存在である馬のごとく数々の地域課題を迅速機敏に解決していく年にしていきたいと思います。会員企業皆様のご商売も、情熱や行動力を象徴する干支にちなみ大きく飛躍されることをご期待申し上げます。横手商工会議所も全会員事業所の力を結集し、地域発展のため勢力的に事業を展開して参りますので、これまで同様のご支援、ご協力をお願いいたします。

結びに、新しい年が会員皆様にとりまして実り多き一年となりますことをご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。